ECR33タイプM★RB26スワップ

ACT2.

 

 

吸排気系の整理が済んだら、今度はメンテです。

 

タイミングベルトとウィーターポンプの交換をしておきます。

 

このエンジン、走行距離は6万kmなのでまだ交換時期ではないのですが、

車載状態で交換するより、エンジンが下りてるときに交換する方が楽です。

念のためやっておきます。

 

当たり前ですがベルトだけじゃなくて、プーリー類も交換しましょうね。

RB26は、クランクプーリーの取り付けボルトの締め付けトルクが50kg・mです。

緩めるときも締めるときも気合い入れましょう。

ウォーターポンプを外したところです。

RB26は「後サーモ」タイプなので、ウォーターポンプの奥にサーモが見えます。

 

「前サーモ」と「後サーモ」のどちらが良いのか?

「後サーモ」の方が、サーモの開き始めを穏やかな動きにすることが出来て、

また水温を早く上げることができる(ヒーターを早く効かせられる)ので、今は「後サーモ」が一般的です。

 

ついでにこのRB26の水の流れについて・・・

ウィーターポンプから送られた冷却水は、画像右側の排気側に一気に流され、

高熱になる排気側から吸気側に向かって冷やしていく理想の流れになっています。

前から後ろへ冷やしていくのが普通の市販車ですが、レーシングカーのエンジンはこういう冷却水の流れになっています。

でも日産はレーシングカーのエンジンから採用したのではなく、ベンツのエンジンを見て採用したんだと思いますね。

日産の直6は、ベンツの直6をすごく参考にして作られてます。

ヘッドへ上がる水の流れは、ヘッドガスケットに開けられたウォータージャケット用の穴の大きさでコントロールされます。

ヘッドもうまいこと排気側から吸気側へ冷却水が流れるように計算され、

ヘッドの中心あたりから冷却水は取り出され、ラジエターへ導かれます。

前から後ろへ・・・という水の流れではないので、どこから冷却水を取り出しても良いのですが、

基本的にはフロントにあるウォーターポンプから冷却水は回っていくので、

やはり冷却水取り出し口より後ろ側は、前側に比べれば冷却は厳しくなります。

それを補うようにヒーターへの水路があるのですが、出来ればここを冷却水のメイン取り出し口にして欲しかったところですね。

 

んなわけで、ウォーターポンプ・ベルト・プーリーを交換して↓こんな感じ。

 

掃除をしながら消耗品を交換していくと、きれいになるし中古エンジンでも安心感が増して良いですね。

ウォーターポンプはN1用です。

容量が増えているとか言われてますが、一番のメリットは高回転時のキャビテーション防止です。

つまり気泡が発生しないようにするということですね。

高回転を連続して使用しないのであれば、ノーマルでも問題ありません。

実はコレ、オイルポンプもそうです。

ニスモに強化オイルポンプがラインナップされてますが、何が強化されてるの?っていうと、

内部のギアの強度が高いだけで、性能はノーマルと一緒です。

高回転時のギア破損を防ぐためだけのものですから、通常のREVを守って使うなら不要です。

みなさん、うまいこと言いくるめられて無駄遣いはしないでくださいね。

 

話がそれました。

 

さて、ここまで来たらいよいよオイルパンの加工です。

RismyでRB26をFRに流用する際は、必ずRB26のオイルパンを加工します。

その理由は、鉄板プレスで作られたRB20・・RB25のオイルパンに比べ、

分厚いアルミの鋳物で作られているRB26のオイルパンの方が剛性が高く

これをエンジンブロックに取り付けることで、ブロック剛性を高めることが出来るからです。

ちなみに鉄板プレスオイルパンを使うより26のアルミオイルパンを使う方が、エンジン静かになります。(笑)

それは剛性が上がったことでブロックの共振が抑えられるから。

「たいして違わないんじゃないの?」って思った方。

エンジンに関しては、たいして違わなくてもちょっとでも違うなら使いたい派です。

エンジンなんてそんなものばかりですから。

Rismy流は、抜くところは抜きますが入れるところはがっつり入れます。

 

RB26のオイルパンは4WD専用で、フロントデフ一体式になってますので切り離します。

切り離せば普通のFRエンジンのオイルパンのような形になります。

と、加工中の画像を撮り忘れてしまったので(あちゃ!)、加工後のオイルパン。

 

  

こんな感じに切断加工します。

 

不要なところはできるだけ削り取ります。そのまま軽量化にもなりますから。

もちろん「たいして違わないんじゃないの?」は禁句です。

 

ちなみにコレ、専用の洗浄液で洗浄した後です。

かなり頑固な汚れでも、画像のようにきれいなアルミ色に戻すことが出来ます。

洗浄中にフラッと来たお客さんに「きれいにして意味あるんですか?」と言われてしまいました。

単に茶色く古いオイルが焼きついたオイルパンをそのまま付けるのが気持ち悪かっただけなんですが、

苦し紛れに「ドラシャの穴埋めの溶接時に汚れがあると、溶接にスが入るから」と答えてみたんですが、

「溶接するところだけヤスリがけして汚れを落とせば良いんじゃないですか?」とさらに突っ込まれ。

 

「はい。その通りです。」

 

そのひとのエンジンは、そんなスタンスでやることにします。(爆)

 

つづく・・・  メニューに戻る

 

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